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★倉都康行さんのインタビュー(2017年5月19日付)

先週土曜日のTVマーケットアナライズplusに倉都康行さんが
出演されていましたので内容を要約してみます。

・フランス大統領選でマクロン氏が勝ったことで安心感が広がり、
VIX指数が25年ぶりの低水準になるなど、目先は金融市場も
順調である。(VIX指数はその後上昇)
http://stockcharts.com/freecharts/gallery.html?$VIX

・今後のリスク要因としては、まず中国経済である。中国の経済指標
等はこのところ調子が良い。これは実態経済が好調というよりは、
秋の党大会へ向けて中国政府がインフラ投資を行っていることによる
ものである。
中国経済はもともと過剰投資、過剰生産が指摘されているが、今回の
インフラ投資も問題の先送りであり、インフラ投資はいずれ止まる。
理財商品(シャドーバンキング)の増加も止まっておらず、官民の
負債はGDPの3倍程度である。すぐに表面化はしないが、いずれ
成長率の低下が問題となるであろう。
リスクがいつ表面化するかを予測することは難しいが、中国の経済
統計は信用が低いため、国有企業のデフォルト、政治リスク、
アメリカとの関係などに注意して行くよりないだろう。

・次にアメリカの金融政策である。6月、9月の利上げストーリは
マーケットのコンセンサスとなっているが、マーケットが消化できて
いないものはバランスシートの縮小である。バランスシートの縮小は
12月からと予測されているが、その縮小のやり方のコンセンサスが
できていない。
債券の再投資をやめるにしても、国債かモーゲージ債か、また売却
するかどうかなど分かっていない。先行き景気との関係もあり
不透明である。
秋にガイダンスを出して欲しいがFOMCのコンセンサスがない。

・イエレン議長の再任はおそらくないだろう。トランプは自分の意見
をより反映してくれる議長が欲しいだろうし、新議長のもとでバランス
シートの縮小の政策が進められるだろう。

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