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在庫循環モメンタム

在庫循環モメンタムは別名「出荷・在庫バランス」とも言い下記の算式で算出します。

   [出荷・在庫バランス=出荷の前年比ー在庫の前年比]

 鉱工業の生産指数の先行指標として「在庫指数」、「在庫率指数」が用いられますが、在庫率指数は在庫指数よりも生産指数に対して安定的に先行するものの、生産指数に対するタイムラグが約3〜6月とやや短いという欠点があります。
 そこでエコノミストなどは在庫率指数よりも先行期間の長い出荷・在庫バランスという先行指標を作成し、景気の先行き予測に利用しています。出荷・在庫バランスは、出荷の伸びが在庫の伸びを上(下)回るとプラス(マイナス)になります。また、出荷の伸びと在庫の伸びの格差が大きく(小さく)なればなるほど、出荷・在庫バランスのプラス(マイナス)幅は大きくなります。出荷の伸びが在庫の伸びを上回り、両者の格差が大きくなる(出荷・在庫バランスのプラス幅が拡大する)ことは、(出荷が多いので)在庫水準が低下することを意味しています。在庫水準が低下すれば、企業は在庫を適正水準に戻すために生産活動を活発にする必要があります。

 つまり、出荷・在庫バランスが上昇すればするほど、景気(生産活動)は、いずれ上昇することになります。

 出荷・在庫バランスは、在庫率指数を構成する出荷指数と在庫指数の伸び率を用いているため、在庫率指数という水準よりも先行する性質を持ちます。出荷・在庫バランスを生産指数と比較すると、出荷・在庫バランスは、生産指数に対するタイムラグが安定的で、生産指数にたいして6〜10月先行しています。
 株価は生産指数に対し約6か月ほど先行すると言われていますので、出荷・在庫バランスは株価との連動性が高い指標と考えられます。

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